植野祐美 インタビュー

じんの「どうですか? 久々に稽古場に来てみて」

(植野祐美が稽古場に来たのは久しぶり。そして、植野祐美は5月の初演の『櫻の園』に出演していて、その時は今回加藤るみさんが演じる志水部長の役をやっている)

植野「すいません。お休みしてて。でも、今日はすごい楽しかったです」

じんの「ほんとに?」

植野「楽しかった。めちゃ笑いました」

じんの「もう前回の5月の初演とは全然違ってきてるでしょう」

植野「違いますね。なんか、お嬢様感がめちゃくちゃ出ましたね」

じんの「本当に?」

植野「はい。なんか、この子達お金持ちなんだなって(笑)すごい出てますねお嬢様感」

じんの「貧乏な高校演劇をやってきた植野さんとしては(笑)」

植野「そうなんですよ。完全に私は青春がそっちだったから、お金持ちのお嬢様達に囲まれて演劇やってると思うと、なんか複雑な気持ちになってしまいます」

じんの「どんな感じなの? 二回目に挑戦してみて」

植野「こんな感じになるとは全然思っていませんでした」

じんの「再演って、こんなに変えないもんね、もうこれは新作だよね」

植野「最初、話を聞いていたのは、まだみんなにも会う前でもあったから、何かその人、その人の言葉にはきっとなるんだろうなって予想はありましたけど。でもなんか、ここまで違うキャラクターになってしまうとは。本当に一新した感じです」

じんの「短期間で一新してしまいました」

植野「ほんとですよ(笑)」

じんの「大変でしたけど」

植野「すごい…楽しみ」

じんの「なんか今回の作品にかける抱負とかあるの? こうなったからには、ここをこうしてやろうみたいな」

植野「えー!なんだろう、でも私は前の5月のを見ているから…」

じんの「見てるっていうかやっているじゃない(笑)出てたじゃない(笑)」

植野「でも役が違うから、なんかその、私の中で、桃ちゃんは(前回、榊原桃をやった)益子(祐貴)さんなんですよ。なんか、すごい、不思議な感じ。私に益子さんはできなし、私の桃ちゃんは…どう見えるんだろうかって思いながらやってます」

じんの「それもなんか不思議な感じだよね、前回公演の映像は他の人もみんな見てるんだよね。それで、ああいうものなんだって思いながらも、自分にあれができるんだろうか?って思いながらやってる。先生役の石川ひとみさんなんか特にそうだと思うよ。前の先生があれだからとか…だいぶ意識してると思う」

植野「そう…ですよね」

じんの「前回のあれじゃなくて、じゃあ、自分はどうしようか…って。プレッシャーはあると思う。まあ、私が「この人!」って思って「やりましょう」って声掛ける人達は基本的にみんな、ものすごい負けず嫌いな人が多いから(笑)」

植野「いやー、今日の稽古、里美先生、すごい面白かったです」

じんの「いいでしょあの人、綺麗だし」

植野「綺麗ですよね」

じんの「底力あるし」

植野「かっこいいと思いました」

じんの「桃ちゃんをやってみてどうなの? やっぱ大変?」

植野「桃ちゃんですか? うーん、大変ていうか、まだ真似っこしてるっていう感じがあるかもしれないです」

じんの「あ、ほんとに?」

植野「なんか、真似っこっていうか、私が見た感じ? の桃ちゃんっていうか。追っているなって感じがします」

じんの「そんなに追っているかなぁ? そんな感じもしないんだけど…」

植野「舞台上で、益子さんが言ってたセリフを聞いていた感じがあるから、自分がどこまで変われるかわかんないですけど」

じんの「あ、でも最初さあ、5月の時にね、志水さんやったじゃない? あの時も映画の中島ひろ子さんがやった志水さんの音をかなり完璧にコピーしてたよね」

植野「ああ、結構そうかもしれない」

じんの「あそこから抜け出るのに、結構時間かかったもんね」

植野「そうですね」

じんの「すごく正確に、中島ひろ子が出していた音を出していたよ」

植野「ほんとですか? でも結構意識していたかもしれない」

じんの「まぁ、気にしちゃうよね、こういう風な作り方すると最初思ってないだろうから」

植野「確かに」

じんの「『櫻の園』をやります、映画を見ておいてください、って言ったら映画のようににやんなきゃって思うもんね」

植野「それはありました」

じんの「今回はそのそれから抜けてることができるかね。益子祐貴の呪縛から」

植野「呪縛っていうか(笑)益子さんの桃ちゃんは結構かっこいい桃ちゃんだったから、なんか私がかっこいい桃ちゃんをできると思えないんですよ」

じんの「そうなの?」

植野「うん、なんかかっこいい感じの役ってのをそもそもやったことあまりないし…」

じんの「それは何、かわいい感じならできるってことなの(笑)」

植野「え! 違いますよ、そういうことじゃなくて。かわいいっていうのとまたちょっと違うじゃないですか。声は低くないし、身長とかも…あと益子さんは同じ位だったのかな」

じんの「身長とかって関係あるの?(笑) 関係ないでしょ!」

植野「ありますよ。え、ないんですかね…」

じんの「今回、加藤るみちゃんの志水さんもあんな感じで、みんなすごい女の子女の子してるよねみんな」

植野「そうなんですよ、だから、私は(第一幕のプレゼンの)『美女と野獣』はカットになるかな思ってたんですけど」

じんの「いやいやいやいやいや。あれ結構有効だから。物語には必要なんだ」

植野「他の1幕のプレゼンのラインナップが強すぎて、私の『美女と野獣』だけなんだが柔らかな感じになっちゃうんじゃないかって」

じんの「そうそうそれが良いんじゃん。だから入れなきゃって言ってるんじゃん」

植野「やばいよー…」

(追われている植野祐美! インタビューはまだまだ続きます。これは夜中にラインの電話で話したものです)

その2

 

じんの「まだ一幕の各々がプレゼンするところ、並びが確定してないからね」

植野「これからまだまだ変わるんだろうなって。思いました」

じんの「並びによって印象は全然違ってくるからね。熟考しないと。とにかく…焦らないであらゆる可能性を考えて、並べて、やってみて、の繰り返しだから」

植野「そうなんですね」

じんの「でもそれだけの器だってことはわかってきた。この『櫻の園2』で発明した構造が。何度、再演しても飽きないと思う」

植野「たしかに」

じんの「今回『熱海殺人事件』があるしね(笑)」

植野「ネタが増えれば増えるほど、その時々で全然違うものになりそう。面白いなと思って聞いてます」

じんの「二宮も、キャラメルの『嵐になるまで待って』以外だったら何やろうかっていう話もしたりしてたんだよね」

植野「おお! 何やるんですかね?」

じんの「いろいろ検討はしたけど、でもまぁ、今はやっぱり二宮はキャラメルが良いだろうと言うことで『嵐になるまでまって』に落ち着いたんだけど。二宮がまたもし出てくれるとしても、また悠ちゃんをやるかわかんないしね」

植野「そっか…そういうのがあるんですね」

じんの「そして(笑)どうですか? 元SKEの加藤るみさんと一緒にやる感じは?」

植野「初舞台とか聞いてたんですけど、すごい、度胸あるなと思って。私より、はっきりきっぱりしてる感じがあって。かっこいいなと。でも、本当に、本当に、純粋に志水部長をどう演じるんだろうかって、すごいウキウキしてます」

じんの「14歳からアイドルやってる人だからね」

植野「そうですよね」

じんの「これも不思議だけど、人前に立つとか、ステージに居るとかっていう経験値は相当なものなんだけどでも、演技はしたことがないって」

植野「うん、そうか…」

じんの「だから立ち方とか、アピールの仕方とか綺麗なんだよね。舞台度胸があるっていうか…」

植野「なるほど」

じんの「演劇的な動きとか、法則とかはね、いずれなんとかなるもんだから。舞台度胸がない奴が舞台度胸を獲得するのに比べたら、そんなのあっという間にものにすると思うよ」

植野「そうですよね」

じんの「すごいよねでも、初めてで」

植野「うん…凄いと思います。あれで初めてとか…すげえなぁ」

じんの「1個下くらいなの? 植野祐美と。2個下くらい?」

植野「えーっと2こかな?」

じんの「どうする? 2個下で初舞台で、あの度胸(笑)」

植野「いやーもう、もうほんと…怖いですよ。他の役者さん達も、みんな年下で、気がつくと突然年上になってしまい…」

じんの「そういう時代でいきなりやってくるもんだよ。気がつくと周りが全員年下で、座組みの中で1番年長さんになっているって言う(笑)」

植野「やばい…」

(またしても「やばい…」で終わり、まだ続く…)

植野祐美インタビュー その3 

 

じんの「あと、ホームページを見る植野祐美さんはじめましての人々に向けての自己紹介をお願いします」

植野「あ…私は…なんて言ったらいいんだろう。ずっとお芝居をしてきました」

じんの「何時から?」

植野「小学校2年生の時に、突然テレビに出たいと言い出して。児童劇団に入ったのがきっかけです。それで、最初は…だから、テレビに出ることが目的だったんですけど、その劇団の中で、ミュージカルをやってしまい、そこに惹かれてしまったんです。で、そこが、児童劇団なので中学で辞めることになるんですけど、その後、高校演劇を経て、大学は演劇系、ダンス系を選べる大学に進みましたって感じです」

じんの「大学はダンス?」

植野「そうなんですよ。コンテンポラリーダンスを、やりたくて、それで身体表現とか、学ぼうとか思って、大学に入りました」

じんの「でもそこまではミュージカルだったんでしょう、なんで大学で突然コンテンポラリーダンスなの?」

植野「ミュージカルっていうのは、ダンスも歌も、大好きでそれの集合体がミュージカルだったんです。そういうふうにずっと考えてて、じゃあ大学どこ行こうかって考えたときに、演劇を学ぶっていう概念がよくわからなくなりまして、演劇を私は大学4年間かけて、学びたいのか? と。いろいろ考えて、学ぶと言うのはちょっと違うなーって。思って、ダンスもすごく好きでほんとに、高校時代はミュージカル部だったんですけど、だいたいミュージカル部っていうのは、歌と演技! みたいな感じで、ダンスは、おまけ扱いなんですよ。だからほとんどやれなかったんで。それで、ダンスってなんかすごい自分とすごく向き合うものが感じがして、そもそも、鏡見てやるのがダンスだから。大学の4年間かけて、体を動かせるようにしてやろうと思って、そうですね、あとまあ、そのもちろんダンスを専攻にしたかったんですけど、演技とか他のものも、授業として取れるところだったので、それで、選びました」

じんの「ちなみにその大学で『櫻の園』の志水さんをやったことがあるんでしょ?」

植野「そうなんですよ! 映像演技の学科もあったんですけど、その映画の学科の映像演技と、演出の授業で、そこに入ったら、先生に映画の『櫻の園』に出演していた方が先生でいらして、なんと! ですよ。それで『櫻の園』のワンシーンをやったんです。そこで志水さんをやりまして。志水さんと杉山さんのシーンを」

じんの「(笑)それは進路指導室のシーンってこと? 「めちゃめちゃにしてやろうかな?」のあのシーンでしょ?」

植野「そうなんですよ。進路指導室で、「暴動起こしちゃうかな~」みたいな」

じんの「ダメですよ、そんなバカにしてやってたら」

植野「(笑)バカにしてるんじゃなくて…みんながやっているのを見るじゃないですか、私だけがやるんじゃなくて。でもみんなすごい楽しそうに「暴動起こしちゃうかな」って言ってて、それがすごい、印象に残ってたんですよ」

じんの「その時、映画の『櫻の園』の出演者の先生は何て言ってたの? 楽しそうに、「暴動起こしちゃうかな」って言ってる役者に対して。ダメ出しはなかったの?」

植野「先生がダメ出しをすると言うよりかも、生徒の映画専修の子が、演出をつけていくので「そこをもっとこうして、ああして」とか、そういうのはありましたけど、あんまり先生が言うのはなくて。「前後を考えて」とか、そういうことは、いろいろおっしゃっていましたけど」

じんの「なるほどね…」

植野「まぁ、授業としての題材だったので、そんなんでした」

じんの「そういうことが大学であって、それからしばらく時間が経って、ひょんなことから書いた人が自ら演出すると局面に出くわすわけですよね、植野祐美さんは。そういうところに来てしまって…」

植野「そうですよ」

じんの「進路指導室のシーンは、全然楽しそうに言えって言わないよね、じんのさんは」

植野「楽しそうというのとは全然違いましたね。でもなんか、奥底でワクワク話してるんだと思うんですけど、何かギラっとしてるっていうか。そんな表立ってワクワクを出すと言うよりかは、心の奥底に感じているギラっとしたものが、ある感じでした」

じんの「5月の時にじんのさんから言われたことで印象的だった事はあるの? 大学で試しにやってみたのと、書いた人がほんとに舞台にしようとして演出しようとしたときに言ってる言葉の違いみたいなのは?(笑)そういうことなの? そういうことなの? みたいなのはなかったの?」

植野「(笑)やっぱり、なんか「ほんとに暴動やっちゃう感じで…」言ってくれって言われたのは、びっくりしました。私が、映画を見ていた感じとか、大学の授業でやってた感じでは、どっちかと言うと…あ、でも映画を見ていた感じたと「何か、何考えてるかわかんないこの人って」思いながら見てたかな…でも大学でみんながやっていたのは、ギャグっぽく、どっちかって言うと、杉山さんが、いろいろ攻められちゃった後、二人っきりになったところで、ちょっとおどけてみせるみたいな、感じでやってた子が多かったですね。どういう心持ちでやったらいいのか、とはいろいろ考えてはいたんですけど、まさかほんとに「ほんとにやっちゃうんだよねこいつら」て言われると思いませんでした。でも、確かにやっちゃいそうの奴らに、前回はなったし、今回はより、そうなっていると思います」

 

つづく…

 

じんの「今回は、よりやっちゃいそうな感じの人たちばっかりなってきたよね」
植野「今回の方がきっと危ない危ない」
じんの「しかも、今回はよりお嬢さんたちばっかりだから、見境なくやってしまいそうな気がするよね」
植野「何も知らない強い、強いものが無いから、えげつない今年そうなんですよね(笑)」
じんの「今回の奴らって暴動起こしても、絶対捕まらない自信があるよね」
植野「だって何かあったらもみ消すつもりでいますからねみんな、そういうセリフもあるし」
じんの「そのあたり、今回すごくリアルだと思うんだよね、お嬢様たちがなにかしでかしても、もみ消すことを前提に動こうとしてるとこさぁ」
植野「そうですよねもうなんか、今回ほんとに…やっちゃうんだ…と思いました。なんかもうほんとに、シチュエーションコメディーのところとかも、今日やってみてめちゃくちゃ怖かった。もうなんか、自分達を信じて疑ってないあたりがすごいですよね」
じんの「そうそうそうそうそうそう。怖いものはほんとにない人ばかりになってきた」
植野「うん、確かに」
じんの「でもさあ、これはねえ、ほんとにそうなんだろうね育ちが良い人たちって…って言う感じが出てると思うよ(笑)」
植野「そうやって育ったらそうなりますよね」
じんの「ハロプロの辻ちゃんとか加護ちゃんたちがメチャクチャなのとかさぁ、矢口真里さんがメチャクチャなのとかさぁ、わかるもん。だって、ああやって物心ついた時から、ああいう風に生きてきたらね、モラルとか後から一般の人の道徳観を押しつけたってそんなのわかんないと思うもん」
植野「だって、一般人じゃないし、もう…」
じんの「そうそうそう、それを何か我々の物差しで測ってねあれこれ言ったって、奴らはもう違うんだからさ」
植野「確かに」
じんの「動かしたお金とか、稼いだお金とか、使ったお金とか、失ったお金とか、これから入ってくるお金の事とかもね全部。価値観は違うと思うよ」
植野「普通の学校生活とかも送ってないわけだし」
じんの「送ってないよね、あの人たち確かに」
植野「それだったらもうしょうがないじゃないですか。私たちは一般人なんだし(笑)あの人たちは、普通じゃない世界を普通に生きてるんだと思いますよ」
じんの「そこまでいくと格好いいんだけどね、すごい演劇的というか劇的なんだけど。価値観の違いが。それ考えたらシチュエーションコメディーのパートとかいくらでも書けるんだけどさぁ、あんまり書き換えて、そこを自分達が楽しんじゃってもね(笑)どっかで線を引かないと」
植野「なんかみんなの演技に対する体当たりの仕方が凄いと思いますよ。ほんとに怖がらずに飛び込んできますからね」
じんの「逆に初舞台が多いからじゃないのかな」
植野「ああ…だからか!」
じんの「だからさっきの話じゃないけど、ああいう稽古場が当たり前だと思うと、いくらでも力を発揮できるようになっちゃうんじゃないのかな? あと、2年生が大多数だから、先輩後輩もないし」
植野「そうですね」
じんの「先生役の石川ひとみさんがちゃんと生徒のレベルに降りてきて喋ってくれてるのも大きいと思う。上から目線じゃなくて、すごくいい先生役を演じてくれていると思うよ。役の上でも稽古場でも」
植野「なるほど…」
じんの「キャリアもあんまり関係ないしね」
植野「関係ないですよね…じんのさんの稽古場だと」
じんの「だから余計にそのお嬢様学校の、無敵さみたいなものにみたいなものに近づいた稽古場だと思うよ」

第二弾へつづく…